酢ではなく鹿児島の地酒でごはんを仕込む、華やかな酒ずし。タイやエビ、さつま揚げ、たけのこなどを層にして寝かせるため、切り分けた一切れに海と山のごちそうが重なります。お祝いの席で受け継がれてきた、香りまで印象に残る一品です!
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酒ずしとは?
酒ずしは、灰持酒(あくもちざけ)をまぶしたごはんに、下ごしらえした魚介や野菜、加工品を重ね、軽く重石をして寝かせる鹿児島の料理です。具材にはタイ、エビ、干し大根、しいたけ、たけのこ、ふき、つけあげ(さつま揚げ)などが使われ、晴れの日らしい色合い。見た目はすしでも、酢飯だけでは出せない地酒の香りが個性です。
酒ずしにまつわる話
酒ずしの始まりには、島津家の宴の後、残ったごちそうと酒を桶に入れておいたところ、翌日に良い香りの料理になったという言い伝えがあります。これは由来の一説として伝わるもの。江戸時代からの歴史を持つといわれ、花見のごちそうとして食べられてきました。
背景にあるのが、鹿児島独特の灰持酒です。もろみに灰汁を加えて搾る酒で、保存性を高める製法からその名が付いたとされます。温暖な鹿児島では昔、一般的な清酒づくりが適しにくく、灰持酒の製造が盛んでした。この土地の酒が、ごはんの発酵を促し、酒ずしの深い味を形づくってきたのです。具材や酒の量は家庭・地域で異なります。
酒ずしはどんな味?おすすめの食べ方
酒ずしは、灰持酒のほのかな甘みと豊かな香り、寝かせることで生まれる旨味を楽しむ料理です。タイやエビの風味、しいたけや干し大根の甘辛い味、ふきやたけのこの軽やかな食感が、ごはんの間から少しずつ現れます。一口ごとに具が変わる楽しさ! 酢を前面に出すすしとは異なる、やわらかく酒の気配を感じる味わいです。
食べるときは、層をなるべく崩さないように切り分けるのが醍醐味。まずはそのまま少量ずつ味わい、香りと具材の組み合わせを確かめてみてください。好みで灰持酒を少量かける食べ方も伝わります。ただし酒を使う料理なので、アルコールが気になる人や子どもは提供する側に確認を。切り分けると、魚介や野菜が層になった断面も楽しめます。
酒ずしが有名な地域、食べられる主な場所
酒ずしは鹿児島市をはじめ、鹿児島県内全域に広く伝わる祝い食です。かつては春の花見でのごちそうでしたが、現在は祝い事や人が集まる機会に、季節の食材を組み合わせてつくられます。家庭で頻繁につくる料理ではなくなっているため、郷土料理を扱う飲食店で出合うこともあります。仕込みに時間がかかるので、味わいたいときは事前予約が必要な場合も。料理教室などの体験を通して、つくり方が伝えられていることもあります。
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