「山するめ」と聞くと海の珍味を思い浮かべるかもしれませんが、熊本では干したたけのこのこと。これを戻して甘辛く煮る山するめのきんぴらは、春のたけのこを干して保存し、季節をまたいで使う料理です。コリコリ、シャキシャキ。素朴ながら印象に残る食感です。
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山するめのきんぴらとは?
山するめのきんぴらは、ゆでて天日干しにしたたけのこを水や湯で戻し、細切りにしてだしで煮る熊本の料理です。砂糖、みりん、薄口しょうゆなどで味を整え、切り干しきくらげを加える作り方が知られています。主な伝承地域は人吉・球磨、阿蘇地域など。生たけのこの煮物とは違う、乾物ならではの歯ごたえが持ち味です。副菜にも酒肴にもなる、覚えておきたい山の味です。
山するめのきんぴらにまつわる話|里山の保存の知恵
熊本には里山や家の周囲に竹林が多く、春にたくさん採れるたけのこを無駄なく使うため、干して保存してきました。鮮度のよいうちに縦に切り、内側の節を落としてゆで、ゆっくり天日で乾かします。干された三角形の姿がスルメに見えることから、「山するめ」と呼ばれるようになったといわれています。
乾燥させれば季節をまたいで使えるため、煮物や炒め物にも役立つ食材でした。調理前は浸水し、さらに鍋や圧力鍋で煮て戻すのが基本。春に採れたたけのこを乾燥させ、必要なときに戻して使う保存法です。山するめは海産のスルメではなく、干したけのこを指す言葉です。
山するめのきんぴらはどんな味?おすすめの食べ方
戻した山するめはおよそ8cmの千切りにし、濃いめのだしで炊いてから甘みとしょうゆの風味を含ませます。煮汁が少なくなってから切り干しきくらげを加えると、きくらげにも歯ごたえが残ります。たけのこはシャキシャキ、コリコリ。乾物特有の香りとだしのやさしい味わいで、ご飯のおかずにも、お酒の肴にもよく合います。
家庭や地域によっては、ごぼうやしいたけを油で炒め、にんじん、こんにゃく、干したけのこを合わせることもあります。きんぴらといっても一つの形に決めつけないのが家庭料理らしいところ。具材の違いを味わうのも楽しみです。
山するめのきんぴらが食べられる主な場所・有名な地域
山するめのきんぴらは、干したたけのこを戻して甘辛く煮る、山里の保存食を生かした料理です。乾物ならではの歯ごたえがあり、普段の副菜にも、お酒のつまみにも合わせやすい味わいです。
飲食店で常に出会える料理とは限らないため、地域の催しや郷土料理の提供機会では、事前に扱いの有無を確かめると安心です。干したけのこは物産館などで扱われることもあり、家庭で戻してきんぴらに仕立てれば保存食ならではの風味を楽しめます。
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